2009年4月29日水曜日

不動産賃貸業にもヒント スラムドッグ$ミリオネア

アカデミー賞を獲得した映画「スラムドッグ・ミリオネア」を見た。 

ビジネスのヒントが隠されていた。

ひとつは「貧困ビジネス」。

もうひとつは「なんでもビジネスにしようと思えばできてしまう頭脳」。

スラムの孤児たちをさらってきて、物乞いをさせる元締めがいる。恐ろしい話だが、似たようなことはタイにもある、と新聞で読んだことがある。

乞食の元締めに乞食は一生搾取される。1人の乞食が稼ぐ金はわずかなものかもしれない。しかし、その数が膨大で、元締めが搾取する金の割合が多ければ、相当なもうけになるだろう。

一種の奴隷である。逃げようと思えば逃げられるが、子供の頃から、乞食しかしたことがなく、ある程度飢えずに暮らすことが保証されているなら、大人になってもその生活から抜け出せない。

この構図は、決して乞食だけに当てはまることではない。ある特定の法人や個人から雇用される労働者も極論すれば、この状態に限りなく近づいているとも言える。

もちろん21世紀の現代で、先進国においては、労働者の権利は保障され、雇用者から搾取されることのないような法整備が成されているだろう。

しかし、現実には、「元締め」からの収入を唯一の収入源としてあてにするということは、非常にリスクが高い。ところが、意外とその状態の居心地が良ければ、そこから離れようとはしない。

これは、物理的な奴隷状態ではなく、精神的な奴隷状態とも言えると思う。そこから抜け出そうと思えばいつでも抜け出せるのだが、決してそのような行動を起こそうとはしない。

自分はいつしか、そういうことになっていると気づいた。

そこから逃れるためにはひとつしか方法がない。

自分でビジネスを起こすことだ。そして、究極的には、自分の労働力を最小限に抑えて、金が金を生むような状態までに持っていくことだ。

映画の中のスラムの子供は、自分でビジネスを起こしていた。

トイレを貸すビジネス。これは賃貸業?だ。外国人観光客相手のインチキガイド。観光客の靴を盗んで売りさばく。

ありとあらゆることが商売になるし、やる気さえあれば、可能である。

それは、不動産賃貸ビジネスにも結びつく。

インドのイメージを良くしたのか悪くしたのかはわからない。しかし、あらゆる試みへの可能性を示唆した、という意味では、見る人のモーチベーションを上げる映画となったのではないだろうか。

ダニー・ボイル監督の作品としては、大ブレークした、トレインスポッティング以来の快作だと思う。

2009年4月25日土曜日

不動産投資の物件調査-買付を入れ部屋を見せてもらう方が良い



東京ねずみらんどの駅近くで売り出されているアパートの空き室内部を見せていただいた。

15年ものにしては、外部の管理も行き届いているし、部屋内部は壁紙も交換してあり、全体的にこぎれいであった。最近、立て続けに小汚い放置物件を見てきたので、あまりの落差に「なんと美しい」と感心してしまった。フローリングも部屋が広く見える効果のある幅広のものを使っていた。

冷静に考えると、それくらい、きれいにした状態で賃貸付けするのが常識かな、と思った。しかし、それができない大家が結構多いのではないか。今まで物件を見てきて、そう感じる。

ちょっと利回りの高い物件になると物件の管理の悪さ度がアップする、という法則を最近確認していた。だから、この物件の利回りはこれ以上は上がらないな、と悟りあきらめた。
幅広フローリング

仲介業者さんが、この価格では、売主にはもっていけません、というレベルの指し値を入れて、買付を提出していた。空き部屋を見せていただいて、やっぱり無理だと納得した。

買付を入れると、部屋の中を見せていただけることが多い。やはり、せっかく物件を調査するのなら、中を見せていただいた方が、売主の状況をより深く知ることができるので、この方法が良いなと思った。

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2009年4月18日土曜日

アパートローン-S☆BC銀行の融資状況のお話をうかがった



都内の仲介業者主催のファイナンス講習会に行った。収益物件融資に積極的だった都銀Sの融資担当の方が講師としてお話しされた。

責任財産限定特約という名のアパートローンがあるという説明が最初にあった。つまりノンリコースローン。これを実施している日本の銀行は少ないのではないかと思う。要調査。手数料を貸し出し金額の1.89%払わなけらばならない。普通のアパートローンと比べて色々と制約がある。

ようするに、返済できなくなった場合に物件の売却によるローン債務の支払いのみで、他の不動産や金融資産への追求はない。

こういうローンは使わなくても、物件の積算価格が、返済金額を上回っていれば心配はいらない。収益還元で推計して、ローンを出していた物件が、返済不可に陥った場合、こういうローンが効力を発揮するだろう。

収益還元の推計が失敗した場合、あるいは、債務者の賃貸経営能力が低くて失敗した場合に、銀行と債務者双方が、なんとか難を逃れるための方法ではないだろうか。

賢い投資家なら、こういう事態に陥らないように、積算価格以下で物件を買うような努力をするべきだと思った。

現在の同銀行の方針としては、年収1000万円以上かつ自己資金3割入れられる人じゃないとローンは出ない。金融資産が多ければ1~2割でもなんとかなるかも。相続対策の場合ならフルファイナンスの可能性もある。

関東近県(千葉、埼玉、神奈川)は収益還元で考えるが、北関東は積算で計算する。

RC、S造のみで、木造は評価が悪いのでローンは不可。

不動産業者単位で支店が分かれている、とのこと。

融資の基準は、BSとPLの両方を評価する。

物件賃料収入は8掛け。借入金利は4%。支出も借入金利(住宅ローン)は4%で計算。生活費は1人あたり120万円。維持管理費は賃料収入の10%。

土地の価格は路線価、公示地価、取引事例の平均で計算。

建物価格はRCが15万円/㎡、木造が13万円/㎡を経過年数で計算する。

木造の場合、新築なら5000万円くらいなら何とかなる、とのお話が、個別面談であった。

「8~9%の新築アパートなら紹介できますよ」

え、8~9でいいの?銀行さんはやはり、投資家とは視点が違う。投資家が高利回りでもうけることには興味がない。というか関係ない。利子を延滞せずに払い続けてくれることが最大の利益である。

自己資金を入れなければならないという方針は、今年いっぱいは変わらないのでは、という観測。しかし、フルローンが出ているという噂もあるので、「金融資産がある」方の場合は例外措置が実施されているのだろう。

やはり、銀行の融資が厳しい今の時期に物件を購入しておくべきだと確信した。景気が上向き、S☆BCのような銀行が、ローンをあらゆる層に出し始めたら、間違いなく物件価格は高騰する。

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2009年4月13日月曜日

不動産投資:違法建築でもしゃあしゃあと売りに出している収益アパート



日曜日に物件調査に出かけた。JR東F橋駅から歩10分の物件。木造2階建てアパート。

利回り12%。閑静な住宅地。などという宣伝文言がマイソクに並ぶ。

マイソクを見ていて気になったのが建ぺい率40%、容積率80%。アパートにしては以上に低い数値。

でも、深く考えずに現地へ。

ん?

なんか、敷地いっぱいに建ってるよね。40%??

ありえね~~

しかし、周りに立つ住宅も、どう見ても40/80で建てられているようには見えなかった。

この数字が正しいとすれば、この近辺はすべて違法建築か....。

仲介業者に、この建ぺい率・容積率が正しいのかどうか問い合わせてもらった。



結果、違法。

オーナーは工務店で、建て増ししているらしい。

違法建築なら銀行融資は無理。

オーナーは、それを分かって建てたのなら、売るという出口は考えていないということだろう。

分からなかったのなら大失態。

それでも世の中には違法物件でも買いたいという人もいるから、売っちゃいなさいと勧められたのか。

不動産取引の世界は、違法、合法も含めて、色んな物件が、堂々と売りに出されている。それを仲介する業者も、いったいどこまで、違法、合法の色分けを理解しているのか分からない。

最終的には、その物件を買おうとしている人間が、分かっていなくてはならない。投資は自己責任というが、不動産投資も、まさにそういうことだ。

仲介業者が教えてくれなかった、という泣き言は通用しない。

自分が持つ知識と判断力だけが自分の身を守る道具である。

40/80の物件を、何の計算もせずに見に行こうとすること自体が、投資家としては、NGである。

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2009年4月9日木曜日

不動産投資の勉強:トマソン物件を十条で発見



十条で物件を見た後に駅へ戻る途中で、とんでもない建築物を発見した。

それが、「建築物」というものなのか、「建築を放棄したもの」なのかは、わからない、まったく意味不明のものだった。

鉄筋コンクリートの鉄筋が縦横にむき出しになったままの構築物が目に入った。

いったい何だろうとその建築物が立つ路地へ入ってみると、鉄筋コンクリの構築物の真横には木造の古い家屋が隣接していた。

しかもできそこないのRC構築物と古い木造家屋の接続した部分には駐車場スペースがあり、車が鎮座していた。

そのコンクリの建物?らしきものは2階建てのつもりのようだが、2階部分は中途はんぱな状態で建築がストップした感じで、半分構築されたコンクリの壁の中から鉄筋が突き出し、これからコンクリの流し込みを待つかのような風情で空中に浮いていた。


もうあまりにも古いが、これをトマソンと呼べるのだろうかと思った。つまり、役には立たないが、何か深い意味ありげに見える芸術的存在としての構築物である。

収益物件の調査に来てこのようなものを発見するということは、真剣な投資の調査の中でのホッとする息抜きの瞬間である。

たぶん土地以外の資産価値はゼロであろう。このようなものは、本気で探せば、都心には無数にころがっているかもしれない。

こういうものを見ると想像力の翼ははばたく。

建築ヲタクの家主が、自力DYI方式で鉄筋コンクリの家を造ろうとするが、あまりの難事業に耐えられず、途中で建築を断念した。


同じく建築ヲタクの家主が、素敵な家を設計したが、とても役所の建築確認が下りるようなものではなく、それでも必死に抵抗して建築を勝手に進めたが、公的な強制力により、建築を停止させられた。

想像力が羽ばたくものが、芸術(アート)である。

*銀行融資状況-スルガでアパートローンより住宅ローン借りて賃貸併用住宅の方が良い?

2009年4月5日日曜日

かなり不利な条件でも収益物件は激安物件とはならない23区

JR十条駅から歩15分の住宅街にある木造2階建てアパートを見学した。駅前からかなり長いアーケード商店街があり、買い物には便利そうな商店が豊富にあった。駅から遠くても活気のあるお店や通りがあると単調ではないので、距離を感じない場合がある。

現地に近づいた場所にもスーパーがあり、近隣環境としてはなかなかよろしい。

しかーし、実はアパートは高台の崖の中腹のような場所に建っている。ここに到達する道は狭い階段しかない。もちろん車は通れない。このアパートに到達するのに階段を避けるのは難しい。

崖の上に建っているので、見晴らしは良く、日当たりも良い。長く奥まった旗さお地という大変不利な環境にもかかわらず、10室中空きは1室だけ。満室利回りは9.6%。

この階段を住人の女性は自転車を抱えて登って出かけていかれた。すごい根性だ!軽い自転車じゃないとキツイ。

「人間って、どこでも住んじゃうんだな」



そんなのんきなことを考えてしまったが、このアパートは利回りから計算すると1部屋63900円の家賃となる。これだけ生活上不便を強いられるような場所でも、これだけの家賃を払って住む方がいらっしゃる。

20㎡足らずのワンルームなのに、都心への交通の便が良いという条件は、やはり想像以上のアドバンテージがある。そこに住みたい、と思えば、自転車を抱えて上り下りするなんて、たいした問題じゃない。そう思える人だけが、お金を払って住んでいる。

この物件はかなり長期間売れ残っている。利回りの割りには売れない理由はわかったが、値下げもしないところをみると売主は強気なのか。売る気がないのか...?

こんなところに建物を建築するのが大変だということは、自分が旗ざお地に家を新築した経験からも想像できる。ということは、建築に予想以上に費用がかかってしまい、売値を下げることは難しいのだろうか。

色々考えてしまうが、売値では、到底銀行融資がつくとは想像できない。したがってあっさり転進。

*銀行融資状況-スルガでアパートローンより住宅ローン借りて賃貸併用住宅の方が良い?

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