2011年12月19日月曜日

フルローン・オーバーローンで収益物件を買えた時代に融資を受けなくてよかった



フルローン、オーバーローン。

そういう言葉は不動産投資の勉強を始めた時期は憧れでした。

頭金なしで億単位の融資を受ける。

自分のお金をほとんど使わずに収益物件からのキャッシュフローを積み上げる。

次々とフルローン、オーバーローンで収益物件を購入する。

そんな時代があったなんて今では信じられないほど厳しいことになっています。

年収の低い人にもこのような融資が出ていたらしいのです。

高年収で高属性があれば、もっと簡単に出ていたはずですね。

初めて一棟ものの収益物件を購入したのは2009年でした。

この時期は、夢の時代は過ぎ去り、頭金は物件価格の最低1割は求められていました。

フルローン、オーバーローンが大安売りされていた時代の銀行金利は良くても2%台でしょう。

融資額が大きく、借入期間も長く取れていたわけです。

毎月の返済額を抑えようと思っても借金の額が多ければ、どうしても物件の収益に対する返済比率が大きくなります。

つまり、空室が出た場合のリスクがより高まるということです。

フルローン・オーバーローンで返済比率がもし7割まで上がっていれば1棟10戸のうち3戸でも空室が出れば、キャッシュフローが赤字になる可能性もあります。

返済比率を真剣に考えずに、安易にフルローンを受けたオーナーは空室で客付けに苦しみ始めたらどうなるのでしょうか。

このようなフルローン・オーバーローンで収益物件を買った人が多かった時代の直後にセルフリフォームが流行り始めました。

これは、合点がいきます。

自分でリフォームをして経費を減らさないと収益が出ないと気づいたからだと思います。

当時、まだ物件を持っていなかった時に、セルフリフォームのセミナーに行ったことがあります。

なぜ、そんなことに必死にならなければならないのか、意味がよくわかっていませんでした。

同時に自宅を新築するというプロジェクトは進行していました。

自宅を新築する中で、一部セルフリフォームを実行した理由はひとつだけです。

建築費を抑えたかったからです。

当初の予算内に収まりそうになかった建築費の対策として、建築家が提案してくれたのが、この労働力投入と施主支給でした。

ぎりぎりの予算でやりくりする苦しい状況だったからです。

返済比率が高くて空室が増えるたびに怯えるような状況というのは、今なら実感がありますが、物件を所有する前は想像できなかったと思います。

不動産投資は投資ですから経済状況のサイクルに左右されます。

その瞬間が「勝ち組」だと思われても、次の局面でどうなるかはわかりません。

今言えることはまったく素人の状態でフルローン・オーバーローン全盛の時代と交わらなかったのは幸運だったなということです。

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1 件のコメント:

通りすがりの人 さんのコメント...

できないはずの都銀を使ったフルローン・オーバーローンを実現している業者さんの驚くべき手法について解説した記事を発見しましたのでシェアします。(この方はフルローン・オーバーローンに否定的な立場のようですが)

読む限り、自己資金1割2割要求するようになってしまったS○BCだけでなく、地銀さん向けにもこの手法を使っている業者さんはいそうな気がします。

「確信犯?フルローン・オーバーローン投資を求める不動産投資家と結託した不動産仲介会社がフルローン・オーバーローン取引を組成する方法(その1)」

ブログの著者は一財成してサラリーマンを引退して自分の会社を経営している、不動産屋さんか不動産オーナーさんみたいですね。

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