2012年5月24日木曜日

収益物件のリフォームを安く仕上げる方法は工務店や業者の狙いを知ること



収益物件で原状回復のリフォームを安く仕上げることは非常に重要です。

固都税や光熱費を下げることは至難ですが、リフォーム費用だけは大家が自由にコントロールできる部分だからです。

セルフリフォームをするという選択肢がないのなら工務店や職人さんにお願いするしかありません。

こういう業者さんも不動産投資家と同じでお金を稼がなければお話になりません。

彼らを稼がせてあげるための人が存在します。

それは大家である不動産投資家を含む施主です。

施主の要望を聞いて工事をするのが彼らの仕事です。

ですから施主である大家が希望を伝えて費用を設定すればよいのです。

ここで問題になるのが、施主側の知識です。

ほとんどの場合、施主は工事にかかる建材費や工賃についてあまりわかっていません。

この点が業者側からすると大きな狙い目です。

知識がない人に対してはどれだけふっかけても良いわけです。

ただし、その施主が払えそうな額をふっかけるのです。

ウチが賃貸併用住宅を建築した経験をお話します。

自宅の建築はフリーの建築家にお願いしました。

なぜその建築家に決めたのかというと建築費が2000万円で可能かという問いに対してできるというお返事があったからです。

せっかちな性格なので、そんな要望を聞いてくれるなら恩の字だと思い、すぐにお願いしてしまいました。

設計にはかなりの期間がかかりました。

設計が完成してから建築業者の選定は建築家が行いました。

最初の業者は3000万円を超える見積もりを提示しました。

まったくこちらの要望に応えることはできないということで、お断りしました。

この時点では建築家や建築業者が何を狙っているのかはさっぱりわかっていません。

2番目の業者に見積もりを出してもらいました。

この業者は建築家が以前工事をお願いしたことがある会社でした。

この業者も3000万円を超えるような額は提示しなかったと思いますが、希望の2000万円には程遠かったと思います。

そこで、どういうことをやったかというと当初の設計から削れる部分は片っ端から削っていき金額を落としていくという作業です。

結局、予算交渉に関しては最後まで苦しみました。

2000万円の希望ははかなく消えました。

この過程でわかったことがあります。

それは「当初から2000万円で済まそうなどと建築家も工務店も思っていなかっただろう」ということです。

この業界の慣習として、最初に提示する金額はめいっぱい「ふかす」ということです。

それと同時に施主に「夢」を与えます。

実現しそうにない素晴らしい設計をまず提示するのです。

この時、建築家は、それが到底施主の希望する金額では収まらないことをわかっています。

この「夢」の設計に対して「現実の金額」をぶつけてくるのです。

最初にめいっぱい高い見積もりを提示させて、施主がそれにどう反応するかを見ます。

払えそうなのか、単に怒るだけなのか...。

その反応に応じて次の手を打ちます。

ウチの場合はローン返済がすでに始まり、せっぱつまっていました。

なんとか予定の金額に落とし込むことしか考えていませんでした。

建築家は「お金を当初の予定以上払いたくない」という態度にじれていたようでした。

最終的な提案は設計していた内容から金のかかりそうな部分を大幅に削ることでした。

具体的には部屋の作り付けの家具などをすべてやめることでした。

つまり、「夢」の部分を捨てることでした。

マイホームの建築で最もお金のかかる部分は「人工」のかかる大工仕事です。

人工のかかる仕事は一切やめていただいても構わない部分はやめてしまえばよいのです。

例えば下駄箱を工務店経由で大工さんにつくっていただくともったいないのです。

イケヤやニトリで安いものを調達して置けばよいのです。

そういう既製のものではどうしても納得できない場合にお願いすべきです。

自宅と収益物件ではまったく考え方は違うと思いますが、自宅だって「夢」を捨てれば、かなり安く仕上げることはできると思います。

今なら自宅でさえ、もう一度建築すれば前よりは安くできるのではないかとも妄想できますが、二度と家など建築する気はありませんのでそれを証明することはなさそうです。

最悪なパターンは収益物件のリフォームやリノベーションに施主の「夢」を盛り込んで法外な料金を払ってしまうことです。

借り主は賃貸部屋に「夢」なんかもちませんよね。

ロケーションを中心に考えてコストパフォーマンスの良い物件を選ぶのが普通だと思います。

そもそも家賃相場の安い地域で「夢のある」お部屋をつくってしまうと工務店さんなどのおいしい餌になってしまいます。

業者のキャッシュポイントを見抜くというのは不動産投資に限らずすべての業種に必要な洞察でしょう。

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