2015年2月8日日曜日

不動産投資の勉強−RC造の収益物件を買わない理由

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大黒天人さんの健美家に掲載された記事(201526日掲載)を読んだ感想です。

RC造の収益物件を買わない理由について書かれた記事です。

引用
1、耐用年数が長いので長期の融資が受けやすい

RC物件を購入する人が、一番の理由としてあげるのがこの点です。しかし、投資である以上、「 融資を受けられるから買う 」ことは理由になりません。「 キチンと運営が出来る( 多額のCFが見込める )から購入する 」というのが本来の理由であるべきです。

最近の市場を見ると、RC造の物件の利回りは、多くて10%超、少ないと6%以下の物件も見られます。10%の利回りの物件でも、実際の手残りを計算すると、手残りが1%以下になることが珍しくありません。区分所有の場合は、マイナスのキャッシュフローになることもよくあります。

また、RC造の物件は、固定資産税がかなり大きな負担になります。固定資産税は購入前にわかるので、多くの方が承知の上で買っていると思います。それでも、自分ではコントロール不能な多額のお金が毎年かかることが経営に与える影響は大きいものです。
引用終わり


これはキャッシュフローがあまり出ないので買わない、という理由ですね。

同感です。基本的にRCは木造物件に比べると利回りが低いので買わない理由としては至極まっとうだとおもいます。

固定資産税が高いのもキャッシュフローが下がる大きな理由になります。元々、低利回りで手残りが少ないにの追い打ちをかけるように税金が高いのは痛いところです。

ウチは1棟だけRCを保有していますが、固定資産税が他の木造物件に比べて突出して高いのです。このマイナスポイントは痛いほど良くわかります。

銀行が長期の融資を出してくれてもキャッシュフローが少なければ、銀行を儲けさせるだけでしょう。

銀行がRC物件に好んで融資をだしたがるのも長期間にわたり金利で稼げる可能性が高いからです。

引用
2、利回りが低くても家賃収入が多額なのでトータルでは儲かる

利回りが低くても家賃収入が多額なので、トータルでは儲かるという人もいます。しかし、「 家賃収入が多い 」=「 所得税などの税金が高い 」ということです。

そういうと、「経費で節税できる」という方もいますが、節税はそんなに簡単ではありません。例えば、「 購入物件の視察で訪問したときの交通費 」「 購入物件の視察で訪問したときの宿泊費 」などは、よほど、キチンとした理由を説明できないと経費計上が認められません。
引用終わり


確かにRC造で戸数の多い「巨艦」物件を保有すれば表面上の収入は大きくなるでしょう。しかし、そこで「課税所得」を一気に増やしてしまっては手残りも乏しくなります。

耐用年数が長期年数残っていればRCの場合は毎年の減価償却があまりとれません。そうなると課税所得を抑えることができないので築古の木造より不利です。

経費については、課税所得を抑えるために経費をバンバン使うという発想はキャッシュフローを貯めるという概念とは逆になります。

経費は単純にお金が今「出て行く」わけですから課税所得が減少した分を取り返すことにはなりません。

引用
3、RCは人気があるので売却しやすい

これは、大きな誤解です。私の知人の体験談ですが、築25年の一棟RCマンションを購入して、満室運営できるほど内外部をリニューアルし、10年後に売却しようとしたところ、うまくいきませんでした。

外観も内装もきれいなのですが、物件情報上は築35年のRCという括りになるため、買い付けに来る人は物凄い指値をしてきました。知人が指値に応じないでいたら、そのうち売買の不動産業者が仲介契約の更新を断ってきました。

その後、物件を売却するのに5年かかり、売却金額は想定の60%にしかなりませんでした。

この話をすると、「 だったら最後まで持ち続ければいい 」という人がいます。しかし、RC物件を解体する時の費用は、木造や鉄骨造りの金額より遥かに高いのです。不動産の解体費用は、以下の水準が一般的だといわれています。

・木造 3万円/坪~
・鉄骨造 4万円/坪~
・RC造 5万円/坪~

そのため、規模が大きければ一棟で数千万円の解体費用を見込む必要があり、それだけで、過去の利益を吹き飛ばす可能性が高いのです。
引用終わり

ウチは残念ながらまだ収益物件の売却は経験していないので断定的なことは言えません。現在所要のRC収益物件をいつ売却すべきかというタイミングについては非常に悩ましいものがあります。

大黒天人さんの知人の話のように築古RCを思った価格で売却するのは難しいかもしれません。築35年では理論上はRCの法定耐用年数「47ー35=12」では12年しか残っていないことになります。

これでは銀行は長期融資を出してくれない可能性が高いので、融資で収益物件を購入しようとする投資家にとってはかなりハードルが高くなります。かといって築古のRCを現金で買おうとする裕福な不動産投資家が存在するのでしょうか。

売りどきを見誤ると大変なことになりそうなのがRC造の欠点のひとつでもあるようです。

引用
4、減価償却を長くとれる

私の考えでは、減価償却を長くとれるメリットはあまりありません。特に10年程度で売却を考えている方であれば、減価償却が短い方がメリットは多いと思います。

「 1,000万円を10年で減価償却できる物( 1年につき100万円の減価償却 ) 」と、「 1,000万円を5年で減価償却できる物( 1年につき200万円の減価償却 ) 」では、一年に経費計上できる金額が倍も違ってきます。

物件を相続後も持ち続けるなら減価償却できる年数が長くても問題はありませんが、投資家的に考えると、短い減価償却で回して、資産の入れ替えをしたほうがいい場合も多いのです。( このあたりは、元国税関の方が書いた本などが参考になります )。
引用終わり


これもまったく同感です。減価償却を長期の年数でとっても毎年の課税所得を抑える効果が薄ければ意味がありません。

ウチは木造の収益物件を4年で償却して個人の所得税をゼロにした年がありました。

もちろん4年が過ぎれば減価償却はゼロになるので、再び課税所得は上がり、税率も上がりますから、なんらかの対策を考えないといけません。

減価償却は「課税所得を抑える」ための効果的かつ「キャッシュが出て行かない」方法です。

年数が長期でとれるかどうかと課税所得を抑えられるかどうかというのは別の話です。

結論

不動産投資のやり方は100人いたら100種類あって当然ですよね。

100%正解なんてあるはずない。

それさえわかっていれば、どうとでもなるような気がします。

ようするに、それぞれ立ち位置が違うわけですから、他人のやり方をそっくり真似ることはできません。

真似て良い場合もあるでしょう。

ウチの場合はひたすらキャッシュフローを増大させていく、という発想が根底にあるだけです。

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