2015年8月20日木曜日

ピケティの21世紀の資本を読まずに語る

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ピケティという学者さんが書いた「 21世紀の資本 」という本は大ブームになったそうです。

分厚い本のようで、買ってから1銭の得にもならないような内容だったらどうしよう、と不安になるので、未だに手を伸ばしていません。

経済に関する本で、「お金を稼ぐこと」につながりそうもない内容だと読む気にならないのです。

ピケティさんは、この本が売れたおかげで日本にまで来て講演なんかをしているようですからきっとお金儲けはうまいのだと思います。

でも「格差をなんとかしろ」と本の中で主張している(読んだことないが、あちらこちらで書いてあることから推測)らしいので偽善者かもしれません。

お金を稼げるなら偽善でもなんでもいいや、という人なら、なかなかの人ですね。

お金持ちはますますお金持ちになり、貧乏人はますます貧乏人になる。

そんなことを分厚い本の中でデータを使い説明しているらしいのです。

はっきり言って数百年分の数字を使わなくても、このようなことは私のように半世紀くらいしか生きていない人間でもわかります。

なぜかというと

お金持ちの人というのは、宝くじ当選や、たまたまお金持ちの親戚から相続した人の場合を除き、お金の稼ぎ方と守り方を知っているからです。

これは、親から子へと代々受け継がれます。

よく、ユダヤ人のなんとかの教え、などと大仰なタイトルをつけて本が売られていたりしますが、そんなものは別にユダヤ人でなくとも、お金持ちの間では常識だと思います。

これは世界共通でしょう。

同時に貧乏な人というのは、なんとかしてその境遇から抜け出してお金持ちになってやろうと実践する人を除いて貧乏なままです。

これも親から子へと代々受け継がれます。

古代では制度的に貧乏人を貧乏な状態に縛り付けておくことがありました。

例えば「奴隷制」です。




"Boulanger Gustave Clarence Rudolphe The Slave Market" by ギュスターヴ・ブーランジェ - Art Renewal Center. Licensed under パブリック・ドメイン via ウィキメディア・コモンズ.

現代ではほとんどの国で昔の奴隷制のようなものは違法とされています。

しかし、巧妙な形で脱法し奴隷を維持している国も環境もあります。(Global report on trafficking in persons

このようにお金持ちのステータスと貧乏人のステータスを維持する装置というものは有史以来存在し、現在でもなくなっていません。

それを今さら「格差」がどうの、というのはいったい何なのでしょうか。

つまり、これも巧妙な「格差」言い換えれば「金持ち」と「貧乏」のステータスを維持させるためのキャンペーンなのです。

世の中には格差というものがありますよ。

格差というものをお金持ちの人たちは「認識」してますよ。

そして貧乏な人たちを「なんとかしてあげなければ」と思ってますよ。

そういうことを貧乏な人たちの意識に植え込んで安心させようとしているのです。

安心とまではいかなくとも、「気にならなくなる」程度にしてしまう。

つまり、そうすることによって「反乱」を起こさせないようにしているわけです。

歴史上、奴隷の反乱というものは起こりました。

いかに、これを起こさせないようにするかがお金持ちの使命です。

ピケティさんが、これに自発的に一役買っているのか、あるいは他の人に利用されているのかはわかりません。

2015年8月18日火曜日

返報性の法則は不動産でもありだがどんな分野でもあり

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何かモノを与えられると、お返しをしたくなる。

当たり前のように感じますが、これを返報性の法則というそうです。

贈り物をいただいたらお返しするという行為は日本でも古来からあります。

お中元、お歳暮、香典...

不動産投資として賃貸経営をすれば、当然ながら、返報性をうまく機能させるような工夫が必要になります。

賃貸を仲介する営業の方への担当者ボーナスをはずめば、当然、客付けを優先してくれます。

ビジネスは常にお金というニュートラルなものを介在させています。
ここに新たに「正規のお金」という ものだけではなく、何かを人に贈るという「ひと手間」をかけると、必ず返ってくるのです。

はっきりとした見返りを求めていたわけではないのですが、モノを贈るという作業を続けていたら、いつの間にか特別なステータスを与えられていた。

そういう経験を不動産投資ではない分野で最近、経験しました。

この作業は趣味の分野で行ったのです。

最初はなかなか、まともに相手にされていなかったのですが、贈り物という行為により、明らかに対応が変わったのです。

期待していなかっただけに、その効果に驚きました。

具体的にどんな分野で、どのような返報性が働いたのかは書けませんが、生身の人間同士で体験できたことですので、かなり自信をもって、返報性の有効性を証明できたと思います。

ただ、何事もいきすぎは、まずいですね。おそらく相手に負担を与えすぎるような形で贈るのは逆効果になるかもしれません。

現在、さじ加減を思案中です。

2015年7月5日日曜日

マンションが買った時の価格より上がったという話を聞いた

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「マンションが買った時の価格より上がった」

そういう話を酒の席で知人から最近聞きました。

この知人がマンションを買った時期はウチが最初のマンションを買った時期とほぼ同じくらいでした。

その時期は99年頃で都心のマンションもかなり安かったようで、政府の住宅政策で住宅ローン控除というありがたい制度が始まり、調子にのってマンションを買う人が増えた時代だったようです。

当時、まだ賃貸に住んでいたのですが、妻が、こんな高い家賃払い続けるくらいならマンション買っちゃった方が良いんじゃない、と勧めたのです。

実は当時の周辺家賃が、下がり続けていたことに気がついていなかったのです。

同じマンションの上の階の物件の家賃がウチより安く出ていた事を知ってしまったのです。

大家と交渉して下げてもらうという方法もあったのですが、ある事情があって交渉がしづらかったのです。

そこから新しい賃貸物件探しが始まり、結論として、より低い家賃帯で、ほぼ同じ条件の物件はなさそうだということになりました。

行き着いた先が「マンション購入」だったのです。

そのマンションの価格が買った時の価格より高くなっていると気づいたのが2006年でした。

いわゆる都心のプチバブルです。

この時、マンションを売り払って家を新築するという冒険に踏み出しました。
結局1500万円の泡をつかみそこねて終わりました。

その時の顛末はこの記事で↓

不動産投資の勉強:リーマンショックから6年

冒頭の知人の「マンションが買った時の価格より上がった」という一言を聞いて自分が体験した阿呆な失敗を思い出したのです。

マンションの価格が上がったから、と言って、その人は売却益を稼ごうとしているわけではないだろうな、とはわかっていました。

ただ単に雑談のネタとして口走っただけでしょう。

マンションを高く売るにはどうしたらよいだろう?

そういう相談をされたわけではありません。

しかし、思わず、「自分と同じ失敗をしてほしくない」なんて考えてしまいました。

全く大きなお世話だと思います。

マンションの価格なんていつ下落するか、わからない。

東京オリンピックまで今の状態が続くなどという楽観的な見通しを語る評論家はいるが、そんなことを信用してはいけない。

本当に利益を得るつもりなら今すぐに引っ越して、マンションを売りに出すべきだ。

ウチのように1年放置した結果、リーマンショックにぶち当たり大損する可能性はある。

経済の先行きなど誰にもわからない。

上がったものは必ず下がる。

などなど色々と、自己の失敗から得られた教訓めいたことを説明してしまいました。

不動産投資や不動産でお金を稼ごうとしているわけでもなく、そのような知識のない一般人に不動産の話をしてはいけない。

そう心に決めていたのですが、やはり目の前に「儲け話」のようなものをちらつかせられると、うっかりその禁を破ってしまいます。

おそらく、その知人は何も行動を起こさないと思います。

それはそれで、平穏無事な人生を過ごすこととなるでしょう。

ただ、「不動産」というものは「動かないから不動産」と呼びます。

その「動かないもの」を「動かす」とそこから想像もできないパワーが生まれることを今までの体験で知ってしまった身としては、自分の体験を語らざるを得なくなるようです。

もちろん、そのパワーはポジティブにもネガティブにも働きます。

いずれにせよ「動かしてみる」という体験をしないと何も起こらないことは事実です。

2015年6月14日日曜日

不動産投資でコンサルから被害を受けるとは

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健美家のコラムに恐ろしいことが書いてありました。

お金儲けを狙って収益物件を買った人がコンサルタントから「被害」を受けたそうです。

どんな被害を受けたのかなと思って読んでみると

引用
先日も、ある方が某コンサルタントの紹介で2億円以上する大型物件を買ったものの、うまくいかないという相談を受けました。物件スペックなどは以下のようなものでした。

○ 物件概要
・関東の鉄道主要幹線の駅から徒歩15分
・規模( 2DK×14戸 )
・平均家賃 10万円 
・構造 RC造
・築年数 20年
・価格 25,800万
・表面利回り 約11.0%

その方は、融資もコンサルタントの紹介で決めていました。条件は、次のようなものでした。

○期間15年
○金利4.8%

そして、賃貸経営を始めてみてわかったのは、「 利益が出るどころか、大幅な赤字になってしまう 」ということでした。赤字の理由は、次のようなものでした。

○購入から半年後に大規模修繕を行わなければいけなくなった
○物件の管理料5%とは別に、コンサルタントフィーを月に5%支払う契約
( かといってコンサルタントは何かをするわけでなく、物件の管理は売買した不動産業者に丸投げしていました )
○物件を法人で購入しなかったため、所得税が膨大にかかる
引用終わり

これだけだと実際の融資返済額も融資額もわかりませんので何とも言えません。

しかし、冷静に見ると「金利4.8%」というのは高すぎですね。

スタート金利は必ず4.5%というスルガ銀行さんより高いのです。

しかも期間15年と短い。

「大幅な赤字」と言っていることから「かなりな返済額」だろうことは想像できます。

さらにスゴイのはコンサルタント料と称して毎月5%を払わなければならないということです。

物件を買った後にいったい何をコンサルしてもらうのでしょうか。

収益物件は家賃収入がわかって、融資を返済しなければならないのなら手残りはいくらになるのかは簡単に計算できます。

返済比率が低ければ低いほど儲けがでるのは明白です。

最初から赤字の物件を買う意味がわかりません。

それともコンサル料の5%を引く前はギリギリ黒字だったのでしょうか。

あるいは「新築ワンルームマンション投資」のセールスのように

「赤字になると給料の所得にかかる所得税が安くなりますよ」と誘ったのでしょうか。

売買契約をする前に儲かるか儲からないかがわかっていなかったとは思いたくありません。

もし、そうだとしたらショッキングです。
しかし、もっとショッキングなのは、こんなおいしいビジネスモデルを考えたコンサルタントです。

なんにもしなくても毎月5%がもらえるのです。

惜しいのは、クライアントに「儲からない」と文句を言われてしまったことです。

少しでも黒字にできるような収益物件をお勧めできていれば、文句を言われなかったかもしれませんからね。

これは、いわゆる「やり過ぎ」だったんでしょうか(笑)。

「投資」の世界はありとあらゆる手を使ってカモからお金を吸い取ろうとする人たちが存在します。

その世界に飛びこんでいくからには「吸い取ろうとする」人たちから遠ざからなくてはなりません。

収益不動産は「コンサルタント」と称する人を使わなくても買えます。

結局、自分で判断しなければなりません。

他人に判断を委ねた瞬間にカモになる可能性があることを覚悟すべきです。



2015年6月6日土曜日

賃貸経営で常時満室はだめなの?

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えっ!常時満室はだめなの?

常時満室なんて大家の理想なんではないでしょうか。

そんな「常識」を覆す説が出ています。

大黒天人さんが健美家のコラムで書いています。

なんてことなんでしょう。

意味わかりません。

引用
不動産投資やアパート経営をされている方に、「 一番いい状態 」とはどんなものかと尋ねると、「 常時満室 」という答えがかえってきます。私も過去には、満室状態が一番いいと思っていました。

しかし、最近はそれが「 正解 」ともいえない、と感じることがあります。「 満室 」という響きは確かに良い物ですし、私も好きです。しかし、長く物件を運営している中で、「 常時満室 」には隠れたリスクがある、とわかってきたからです。
引用終わり
「いつも満室」というのがダメな理由はこれだそうです。


引用
物確というのは、営業マンが「 ○○不動産ですが、A町のアパートに、空室はございますか? 」と、管理会社やオーナーのところに、電話をかけてくるやり方が主流です。

ここにポイントがあります。彼らが物確をする際に、半年で3回以上確認して空き室がない場合、そのアパートなりマンションは、「 決める物=決め物件 」リストから除外されてしまうのです。

そうなると、空室が出たときがやっかいです。「 あの物件の大家さん(Aさん)は好きだけど、いつも空き室がないから、電話しても無駄だろう・・・ 」という心理が働いて、物件確認をしてもらえなくなるのです。
引用終わり

うーむ。ようするに賃貸仲介業者が物件を注目してくれなくなるからマズイということのようですね。

でもこれには解決策があるようです。

引用
ワタシは、満室になってからも客付け業者さんへのフォローは欠かさない、という意識を持つことが大切だと思っています( もちろん、こういったフォローの費用は経費で落ちます )。

ですので、客付け業者さんへの電話連絡は定期的にしています( もちろん、満室になっても行っています。ただし、繁忙期は仕事の邪魔をしないようにタイミングに気をつけて )。

満室時にどんな電話をするかというと、例えば、県外に出張した場合はお土産を持っていくためのアポイント、そうでない場合、簡単に済ませる場合は、物件周辺の内見希望者の希望内容のヒヤリングなどを行っています。
引用終わり
答えは

「営業をしなさい」

ということのようです。

しかし、満室にせずに空室を1戸くらい残しておく、というのは大変な高等テクニックですね。

戸数も少なくキャッシュフロー的に綱渡りの大家としては、あまりうれしくない。

これは、かなり戸数も多く余裕のある大家である大黒天人さんならではの発想でしょう。

引用
また、物件を売却する場合には、事情が違ってきます。常時満室にできるノウハウがあるなら、売却開始の半年前から満室にしておくことで、指値交渉を防止する効果が期待できます。

ワタシも、過去に個人の方に売却していた頃は、物件を満室にしてそのノウハウも含めて割高な値段で売却交渉を成立させていました。まとめると、物件の運営中は数%の空室を維持して、売却時には満室にするのが理想的ということです。
引用終わり

売却時には満室にしておくべき、といのは王道の考えですね。しかし、売却時にすぐに満室にすることができるなら常時満室も可能なのではないでしょうか。

「常時数%の空室を維持しておく」

「常時満室を保つ」

どっちが難しいかというと前者ですよね。

ウチのある物件の場合、満室状態の時でも賃貸業者から空室の確認の電話はかかってきます。

賃貸需要のある地域で、ある程度の「ブランド?」の確率した収益物件だと物件確認の電話がないということはないのではないでしょうか。

満室を保たずにある程度の空室を維持するというは、さらなる空室が出た時にさらにキャッシュフローが落ちるわけです。リスクがあります。

やはり、余力がない投資家には無理のようです。

2015年5月31日日曜日

建ぺい率・容積率オーバーが土壇場でひっくり返った収益戸建て

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再建築不可

建ぺい率・容積率オーバー

不動産投資においては大きなマイナスポイントとされています。

これらは物件を見た瞬間に分かることもあります。

しかし思い込みだけで決めつけてはいけない。

あたり前の話ですが、不動産仲介業者の言うことも鵜呑みにしてはいけない。

そういう学びが中古戸建てを買うことにより得られました。

奇跡のような瞬間が売買契約の当日に訪れました。

その物件は住宅地の奥まった土地に両隣の家に挟まれるような形で建っていました。

3つの家に囲まれる土地がその物件の前にあったのです。

その土地は公道に接続しているのですが、その土地の持ち分が物件の所有者になければおそらく再建築は不可だろうと考えました。

これは役所に確かめれば判明するはずとのことで仲介業者に直接確認してもらえることになりました。

結果、再建築は可能というお答えでした。

ただし、その私有地は道路ではないので持ち分のある所有者の了承があれば、という条件付きです。

やれやれ、とりあえず再建築不可ではないと確認出来ました。


次の問題が建ぺい率・容積率オーバーの件です。

これはいかんともし難いように見えました。

なぜなら、その物件が建てられている敷地の面積には、建物がギリギリ目一杯に詰まっているのです。

この地域の建ぺい率・容積率は50%・100%です。

物件の持ち分の土地面積の50%は軽く超えていました。

ですから、あきらめていたのです。

建物自体は現状では違法建築。

これを受け入れて購入しようと決めていました。

現金で買うので融資は関係ありません。

違法建築の不動産に融資をする金融機関は存在します。実際にそういう金融機関で再建築不可の物件で融資をお願いして購入寸前までいったことはありました。

今回の物件は再建築不可ではないので違法建築であっても現金購入のおかげでリスクは低いと考えました。

再建築不可でも買ってくれる投資家は存在します。

融資が絡まないならどんな物件でも売買のマーケットでは立派な商品です。

無欲の勝利とはこういうことを言うのでしょうか。

もちろん「欲」がないわけはありません。

「不動産投資」ですから。

しかし、「この部分はしょうがないね」と切り捨てる部分はあります。

それが、今回は「建ぺい率・容積率オーバー」だったのです。

決済当日の重要事項説明を淡々と聞いていました。

その中で問題の物件前の私有地の項目にきたところです。

担当者が、役所に聞いたところ、その私有地の持ち分だけではなくその他の所有者のすべての面積を合算して、建築確認時の面積として良いということらしいのです。

これを聞いた仲介業者の社長が

「だったら建ぺい率・容積率オーバーにはならないだろ」

と指摘したのです。

担当者は「建築可」かどうかを役所に確かめたのですが、同時に私有地の持ち分以外にもすべての土地面積を合算して良いということも聞いていたのです。

この担当者は早い段階からこの物件は建ぺい率・容積率オーバーだということを指摘していました。

残念ながら私有地の土地面積の合算が「建ぺい率・容積率」の計算に影響を及ぼすことまではピンとこなかったようです。

ただし、このルールは、この物件の存在する市が決めているもので、他の地域では認めていないとのことです。

建築物が違法物件であるかないかは大きな違いです。

今回は現金で購入しましたが、売却する時は「融資が可能な物件」として市場に出すことができます。

これから融資を受けようとする際にも有利になります。

今回の大きな教訓は

「思い込みで決めつけてはいけない」

ということです。

気になるポイントがあれば必ず、疑問を表明して、自分で確認しなければならない。

不動産投資の「基本のキ」と思います。

今回のように良い方向へ転べば結果オーライなのですが、逆だとドボンです。

2015年4月11日土曜日

激安築古ボロ戸建て不動産投資は儲かるのか

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不動産を買う方法はひとつだけではありません。不動産業者を仲介させない方法というものがあるんですね。

加藤ひろゆきさんは健美家の不動産投資コラムで、以下のような技を使っています。

引用
あれは確か5年前のこと。近所のオジさんから、所有者の老婆が息子の家に療養に行くと聞いた。
そこで、「 いつか手放すことがあれば、最初に声をかけてクダサイ 」と書いて、名刺をポストに挟んでおいた。
その3年後、老婆が亡くなったと聞いた。

今年一月、知らない電話番号から着信アリ。
老婆の息子だった。
老婆から生前、何かあったら、この人に連絡するように、と伝言を承っていたそうだ。
約束通り、相続登記が終了した後にワタクシに連絡してくれた。
引用終わり

加藤さんは不動産業者ではないようですが、他人に「売ってください」と自分を売り込んでいます。不動産は1対1で売り買いするものですから、「じゃ売りますよ」と言ってもらえれば売買は成立するわけですね。

ただこの方法だと、よほど信用されている人でないと難しそうです。見ず知らずのどこの馬の骨かもわからない人間と不動産の売買をしようと思う人はそんなにいませんよね。

おそらく加藤さんはこの近所の人ですから素性は知られていて、売主は彼を信用しているものと思われます。ですからこの手法は都会ではなかなか使いにくい。

その代わり、地方で人間関係が密な地域だと有効なのではないでしょうか。

引用
三月上旬。
BOYSを連れて、物件で待ち合わせをした。
裏に住む老婆によると、推定築年数、70年。
古い物件であるが、内部の荷物は既に片付けられていて、さっぱりしていた。
残置物があると、それだけで気が滅入る。荷物の搬出だけで、10万円以上かかる。

内部は、30年前にリフォーム済み。家はやや傾いていて、壁に穴が開いている。
しかし、今まで見てきたボロ物件に比較すると、難易度は低く、まだまだ活用できると判断シタ。
先方の売却希望価格は40万円。
引用終わり

仮に不動産仲介をはさまずに仲介料の支払いなしだとしても、築古のボロ物件だとゴミの片付けやリフォームでお金がかかってしまいます。物件価格の他にかかりそうな費用を足して投資価格を考えなければなりません。

それでもなおかつお買い得ならラッキーです。

引用
そこに、現状渡し、測量不要、瑕疵担保責任ナシといふ条件で、30万円といふマイルドな指値を入れた。
実は、土地面積も、建坪も、全て推定で、よく調べなかった。
しかし、女子限定アパートメントの隣で、かつ、価格に再現性がないと考えると貴重な物件だ。
困難があるとしても、根性で乗り越えるしかないと考え、購入を決意した。
引用終わり

加藤さんは「鬼指し」で有名な不動産投資家ですが、本当に欲しい物件で買う気満々の場合は、気をつけた方が良いと思います。なぜなら売主の「売る気バロメーター」を一気にダウンさせてしまうかもしれないからです。

もしこの売買に不動産業者の仲介が入っているのなら、業者のバロメーターも同時に急降下します。

競争相手の投資家がいるなら、指し値を入れない買い手に、あっという間に持っていかれるかもしれません。


引用
その翌日、沖縄の美ら海水族館のイルカのショーの現場から司法書士に電話を発信し、売買契約書作成と登記の依頼。
北海道に戻ってきてから、指定の口座に35万円を振り込み、郵送でカギを受取った。
売主様とお会いしたのは一回のみ。
引用終わり

ここで加藤さんは不動産仲介業者は入れていないが、司法書士にお金を払っていることが判明しました。仲介手数料はとられないが司法書士に登記費用などを払っているのでこれも投資額に入ります。

引用
推定リフォーム費用は、内装で20万円前後。
庭の土を削り、砕石を敷く工事で10万円前後。
他は水道管の修理で2万円。
ボイラーは生きているかどうか、未確認。
灯油タンクは取り外されているので、新品が必要。
四万円前後か?
予備費を含めて、トータル40万円以内に収める予定。
引用終わり

結局35万円で買った物件に40万円プラス司法書士費用がかかったようです。さらに「労働力投入予定」と書いてありますので、これも費用に加えれば、さらに全体の投資額はアップします。

築古ボロ戸建て投資というのは、費用がかからないように感じますが、このケースだと購入額の倍以上の費用がかかっています。

戸建てではなくアパート1棟だと、物件の購入費用と同じ額程度の費用がかかることはありえないと思います。
4000万円のアパートを購入して4000万円のリフォーム費用その他がかかるようでは買う人はいません(笑)。

このあたりが激安戸建てのマジックで、お金がかからないように見えてかなり投資費用はかかるということですね。35万円で購入して総投資額が80万円だと、家賃5万円の場合、この額を回収するのに(税額は計算せず)16カ月かかります。

16カ月を短いと見るか長いと見るかは投資家それぞれです。

ここでは融資をまったく使わずに戸建てを購入するプロセスが書かれています。これを融資を使えば、すぐに次の物件を買える可能性が高まります。

最近は銀行融資が緩くなったおかげで物件価格が上がり、利回りが下がっています。現金で築古戸建てを買いたいという誘惑にかられますが、冷静に総投資額を考えないと、儲かるスピードは遅いですね。

2015年2月8日日曜日

不動産投資の勉強−RC造の収益物件を買わない理由

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大黒天人さんの健美家に掲載された記事(201526日掲載)を読んだ感想です。

RC造の収益物件を買わない理由について書かれた記事です。

引用
1、耐用年数が長いので長期の融資が受けやすい

RC物件を購入する人が、一番の理由としてあげるのがこの点です。しかし、投資である以上、「 融資を受けられるから買う 」ことは理由になりません。「 キチンと運営が出来る( 多額のCFが見込める )から購入する 」というのが本来の理由であるべきです。

最近の市場を見ると、RC造の物件の利回りは、多くて10%超、少ないと6%以下の物件も見られます。10%の利回りの物件でも、実際の手残りを計算すると、手残りが1%以下になることが珍しくありません。区分所有の場合は、マイナスのキャッシュフローになることもよくあります。

また、RC造の物件は、固定資産税がかなり大きな負担になります。固定資産税は購入前にわかるので、多くの方が承知の上で買っていると思います。それでも、自分ではコントロール不能な多額のお金が毎年かかることが経営に与える影響は大きいものです。
引用終わり


これはキャッシュフローがあまり出ないので買わない、という理由ですね。

同感です。基本的にRCは木造物件に比べると利回りが低いので買わない理由としては至極まっとうだとおもいます。

固定資産税が高いのもキャッシュフローが下がる大きな理由になります。元々、低利回りで手残りが少ないにの追い打ちをかけるように税金が高いのは痛いところです。

ウチは1棟だけRCを保有していますが、固定資産税が他の木造物件に比べて突出して高いのです。このマイナスポイントは痛いほど良くわかります。

銀行が長期の融資を出してくれてもキャッシュフローが少なければ、銀行を儲けさせるだけでしょう。

銀行がRC物件に好んで融資をだしたがるのも長期間にわたり金利で稼げる可能性が高いからです。

引用
2、利回りが低くても家賃収入が多額なのでトータルでは儲かる

利回りが低くても家賃収入が多額なので、トータルでは儲かるという人もいます。しかし、「 家賃収入が多い 」=「 所得税などの税金が高い 」ということです。

そういうと、「経費で節税できる」という方もいますが、節税はそんなに簡単ではありません。例えば、「 購入物件の視察で訪問したときの交通費 」「 購入物件の視察で訪問したときの宿泊費 」などは、よほど、キチンとした理由を説明できないと経費計上が認められません。
引用終わり


確かにRC造で戸数の多い「巨艦」物件を保有すれば表面上の収入は大きくなるでしょう。しかし、そこで「課税所得」を一気に増やしてしまっては手残りも乏しくなります。

耐用年数が長期年数残っていればRCの場合は毎年の減価償却があまりとれません。そうなると課税所得を抑えることができないので築古の木造より不利です。

経費については、課税所得を抑えるために経費をバンバン使うという発想はキャッシュフローを貯めるという概念とは逆になります。

経費は単純にお金が今「出て行く」わけですから課税所得が減少した分を取り返すことにはなりません。

引用
3、RCは人気があるので売却しやすい

これは、大きな誤解です。私の知人の体験談ですが、築25年の一棟RCマンションを購入して、満室運営できるほど内外部をリニューアルし、10年後に売却しようとしたところ、うまくいきませんでした。

外観も内装もきれいなのですが、物件情報上は築35年のRCという括りになるため、買い付けに来る人は物凄い指値をしてきました。知人が指値に応じないでいたら、そのうち売買の不動産業者が仲介契約の更新を断ってきました。

その後、物件を売却するのに5年かかり、売却金額は想定の60%にしかなりませんでした。

この話をすると、「 だったら最後まで持ち続ければいい 」という人がいます。しかし、RC物件を解体する時の費用は、木造や鉄骨造りの金額より遥かに高いのです。不動産の解体費用は、以下の水準が一般的だといわれています。

・木造 3万円/坪~
・鉄骨造 4万円/坪~
・RC造 5万円/坪~

そのため、規模が大きければ一棟で数千万円の解体費用を見込む必要があり、それだけで、過去の利益を吹き飛ばす可能性が高いのです。
引用終わり

ウチは残念ながらまだ収益物件の売却は経験していないので断定的なことは言えません。現在所要のRC収益物件をいつ売却すべきかというタイミングについては非常に悩ましいものがあります。

大黒天人さんの知人の話のように築古RCを思った価格で売却するのは難しいかもしれません。築35年では理論上はRCの法定耐用年数「47ー35=12」では12年しか残っていないことになります。

これでは銀行は長期融資を出してくれない可能性が高いので、融資で収益物件を購入しようとする投資家にとってはかなりハードルが高くなります。かといって築古のRCを現金で買おうとする裕福な不動産投資家が存在するのでしょうか。

売りどきを見誤ると大変なことになりそうなのがRC造の欠点のひとつでもあるようです。

引用
4、減価償却を長くとれる

私の考えでは、減価償却を長くとれるメリットはあまりありません。特に10年程度で売却を考えている方であれば、減価償却が短い方がメリットは多いと思います。

「 1,000万円を10年で減価償却できる物( 1年につき100万円の減価償却 ) 」と、「 1,000万円を5年で減価償却できる物( 1年につき200万円の減価償却 ) 」では、一年に経費計上できる金額が倍も違ってきます。

物件を相続後も持ち続けるなら減価償却できる年数が長くても問題はありませんが、投資家的に考えると、短い減価償却で回して、資産の入れ替えをしたほうがいい場合も多いのです。( このあたりは、元国税関の方が書いた本などが参考になります )。
引用終わり


これもまったく同感です。減価償却を長期の年数でとっても毎年の課税所得を抑える効果が薄ければ意味がありません。

ウチは木造の収益物件を4年で償却して個人の所得税をゼロにした年がありました。

もちろん4年が過ぎれば減価償却はゼロになるので、再び課税所得は上がり、税率も上がりますから、なんらかの対策を考えないといけません。

減価償却は「課税所得を抑える」ための効果的かつ「キャッシュが出て行かない」方法です。

年数が長期でとれるかどうかと課税所得を抑えられるかどうかというのは別の話です。

結論

不動産投資のやり方は100人いたら100種類あって当然ですよね。

100%正解なんてあるはずない。

それさえわかっていれば、どうとでもなるような気がします。

ようするに、それぞれ立ち位置が違うわけですから、他人のやり方をそっくり真似ることはできません。

真似て良い場合もあるでしょう。

ウチの場合はひたすらキャッシュフローを増大させていく、という発想が根底にあるだけです。

2015年1月10日土曜日

結局、融資を受け続けることでしか経営も不動産投資も成り立たないから

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「借金経営のススメ」という本を読み、今さらながら納得しました。

自転車がこぎ続けなければ倒れるように経営も借金し続けなければならない。

借金をしない経営など存在しない。

だから恐れず借金し続けましょう!

銀行は完済できる人に融資するのではなく、現在返済できているという実績のある人に出す。

骨子はこんな感じです。

これは不動産投資を実施している人にとっては「犬の足は4本だ」という事象より常識ですよね。

でも、最近、こんな常識をおろそかにしていたと感じました。

つまり

「借金のしかたが足らん!」

という現状を認識したのです。

最近、ある信金さんから物件の修繕費を借りた時に起こった現象です。

修繕費の融資を申し込む際に所有物件の収支の資料などを提出させられます。

これは、どのような融資であろうと必ず要求されますよね。

問題はここからで、信金さんは、何と修繕費の融資の件よりも収益物件の方に興味津々だったのです。

つまり借り換えをしませんか、と勧めてきたわけです。

それも4棟全部だそうです。

まあ、確かに物件の修繕費は百万単位ですが物件は億単位の額になりますからね。

カモが太いネギを背負ってきたように見えたのでしょうか。

それまで銀行に借り換えを「お願い」したことはあっても「お願いをされた」ことはなかったので驚きました。

ウチのような弱小投資家に「是非借り換えて下さい」なんて切り出してくる金融機関が存在するなんて想像したこともありませんでした。

ここで気づいたことはアベノミクスのインフレ政策でお金がジャブジャブにあふれて銀行の貸し出し先がなくなっているということです。

信金のような規模の小さな金融機関は、たとえ数億程度でも収益不動産なら融資をしたくてしょうがないようです。

ただし、まったく儲かっていない不動産には融資をしたくないはずです。

ウチがなんとかまともに賃貸経営でキャッシュフローを積み上げてきている。その実績を評価して積極的になったのだと思います。

融資をしたい人だと思われているのなら、どんどん借りてあげるべきだな。

そう思いました。

もちろんお金を生み出す可能性がゼロのもののために借金をするつもりはありません。

今回の修繕費のための融資は、わざわざ借りる必要はなく、現金で払っても良かったのです。

しかし、おかげで新たな金融機関を発見して、融資する気満々だということを知ったのは大変な収穫でした。

不動産投資は融資なしでは、まったくレバレッジがかからず、 経営としてはどうなのかと思います。

だったら、いかなる場合でもお金を借りることを中心に考えなきゃいかんな。

そんな原初的な教えを「本」と「信金」から再確認したわけです。


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